2008年12月25日木曜日

カンボジア・シェムリアプ 誕生日とクリスマス




クメール陣が作ったアンコール遺跡。その歴史は古く9世紀にさかのぼる。電波少年アンコールワットへの道でおなじみの(覚えてるかな)誰もが知ってるアジア最大の遺跡群。周辺国の侵入や戦いでこのアンコール朝が衰退してからこの遺跡はジャングルの中に埋もれてしまった。19世紀になって発見されずつ修復されて現在に至る。てかこの遺跡発見したときめっちゃテンションあがっただろうな。俺が発見したかったわ。そして遺跡の修復には日本もかかわっていて日本も協力してますよーみたいな看板をいたるところに見る事ができる。このアンコール遺跡群のある街シェムリアプとは「シェム(=シャム人)」「リアプ(=出て行け)」という意味だって。土地の名前になるくらいこの歴史ある文化を隣国がほしがったんだろう。国の歴史をプラスしたかったんだ。








世界的にも有名な遺跡とあってものすごい数の観光客で遺跡の中は埋め尽くされていた。広大な事と、ここアンコールにて誕生日を迎えるだろうあって、自分への誕生日プレゼントに1週間券(60ドル)を買った。ギザたかす!








アンコールワット、アンコールトム、宇宙の中心バイヨン、宮崎駿がラピュタのモデル(キョシン兵がいたとこ)にしたといわれるベンメリア。このアンコール遺跡群、どこを撮っても画になるねーなんていうけど、どこを撮っても観光客が写真の中に入り込む。それくらい世界中からこのアンコールを観にきてるのだ。








あと遺跡ってすごくくさい。シェムリアプにいる間長く行動をともにしたユウコさんは、遺跡の中にはトイレがないからみんなそのへんにおしっこしちゃうのよって、ものすごく真実味があって現実的な正解を教えてくれた。けど、俺は違うと思う。もうすこしロマンチックベイビー。この匂いは9世紀アンコールに住む人たちが残した「時のにおい」だ。当時の生活のにおいが1000年以上のこっているんだ。うーむ、確かにおしっこくさい。






予定通り誕生日をここアンコールで迎えることになった。トゥクトゥクを朝からチャーターして早朝、アンコールから昇る朝日を観にいった。バイカーのユウコさん、世界一周経験のあるナオミさん、大学生のユウタくんも一緒に。まだ暗い時間にもかかわらずアンコールワットには人がいっぱい。そしてみんな良い写真をとろうと必死になっている。三脚争い。けっして朝日を直接目で観に来たんじゃなく、ファインダー越しに見にみた人たちだ。俺が撮っていたビデオカメラの前を平気へ入ってくるし、きれいな朝なのにガツガツしてていややなーって思ってたけど、それはきっとこの人たちは俺という人間の記念すべき誕生日のために世界中から仕事忙しいにもかかわらず、俺がアンコールにいるからって言ってあつまってきてくれて、その記念すべき太陽が生まれる瞬間を写真にやきつけにきたんだと思う事にした。そりゃ必死になるわ。みんなありがとう。








待つ事30分、アンコールワットがだんだんとオレンジ色になってきた。ゆっくりとその色が濃くなってきて、はいぽーん!生まれました!いやぁ誕生日をアンコールワットで迎えられるなんて幸せだ。旅を始めてから6ヶ月。無事ここで誕生日を迎える事ができました。おめでとう俺。ありがとうアンコール。





太陽にすっかりくぎずけになっていると、一緒にきた3人がハイっていって誕生日プレゼントをくれた。これがすごいんですよ。「ゆうきちゃん」って日本語で書かれたカンボジアのスナック菓子。カンボジアのお菓子会社のコピーライターはなぜ「ゆうきちゃん」という日本語を起用したか疑問にのこる。けど、そのネーミングも、そしてこの3人がこのお菓子を昨日スーパーで見つけた奇跡も、「必然」っていう神様からの贈り物だったんだろう。ありがとう神様。ありがとう宇宙。そしてユウコさん、ナオミさん、ユウタくん。




誕生日の後はすぐにクリスマス。これもゲストハウスのみなさんとプレゼント交換なんていうオツで青春パンクなご企画。こういうの好きなんですよね。1人3ドルまでのプレゼント。なんか普通に買ってくるのもあれだしと思っててさ。ほぼ初対面の人たちに下ネタはありかとか、さんざん悩んだあげく俺は旅で始めた一眼レフを利用して写真集をつくることにした。バイクタクシーの写真集。アジア、そして旅といえばバイクタクシーということで挑んだプロジェクト。今までも撮りためてたバイクタクシーの写真とその日に足りない分を撮り直して、さらに俺がバイタク乗ってるとこを撮ってもらってそれえお表紙裏のプロフィールに載せてやっとこさつくりあげた。現像費2ドル。3ドル以下成立。





ややすべるかもという不安要素を含んだこのプレゼントはオタマくんという北海道で農業をやってるお兄さんにあたった。彼は旅にカメラを持ってこなかったってのと、バイクタクシーのおっちゃんが大好きだってこと。ウケ狙ってたつもりがすごく喜んでくれた。オタマ君にこのプレゼントがあたったのもなにかの縁だろう。この写真集、完全オリジナルだし、数年したら500万倍くらいの価値がでるから大事にしてね!





そしてこのアンコール遺跡群。ここにはアンコールマジックという恐ろしいことがある。あまりに広大で美しい遺跡も1日みたら飽きてしまうという世にも恐ろしいものだ。アンコール遺跡群のチケットは1日券(20ドル)3日券(40ドル)7日券(60ドル)とかなりおたかい設定なのだが、たいてい60ドルは高いし、1日じゃ見れないからっていって3日券を買う。だけど1日して飽きちゃって、そういう人たちでゲストハウスは埋まっている。これがアンコールマジックだ。俺はそのマジックをうまく付き合いながら、遺跡のてっぺんで読書したり、そして宿の人から譲り受けたガイドブックによってことなきを得た。ヒンズー教と仏教の混ざったこの遺跡を観るには知識も必要なんです。アンコールへお出かけの際はガイドブックをおわすれなく!





そして何よりこの遺跡の中で楽しかったのがおみやげ売りの女の子たちと遊ぶ事。毎日同じとこで飯食ってて、初めのうちはそこにいる子たちにしつこく売られてたけど、だんだんと顔なじみになっていく。つまりは友達。チケットが切れる最終日、女の子たちがバイヨン(遺跡の名前)行こうよ!って誘ってきて、おみやげほっぽりだしてみんなで入っていった。なにをするのかと思えばその中で鬼ごっこ。これ、アンコールにはじめにきたときにテレビの企画かなんかでこの中で鬼ごっこしたら絶対楽しいだろうなって思ってた事が現実になった。宇宙の中心として作られたバイヨンの中で鬼ごっこ。この子たちはアンコール世界遺産に住む地元の子。隠れる場所を知ってます。ワーワー言いながら騒いでたら、ガイドできていた人にめっちゃ怒られた。女の子たちの平均年齢約7歳、俺24歳。もう大人なんだから。じゃす!


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