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VIPASSANA瞑想。それは昔からインドに伝わる瞑想法。約2500年前にゴータマ・シッタルダが開拓して、悟りを開いたときに行っていた瞑想だ。つまりあの有名な手塚治虫さんのブッタさんっていう人ですね。パーリ語でVIPASSANAとは「ありのままに観る」という意味。体をありのままに観察すること。気づきの瞑想。体の中で起こる瞬間の思いやしがらみを理解していく。自分の今を観察して、心を成長させていく。「今」の自分に意識を集中させて、泉のようにあふれでてくる過去や未来を経ち、心の水面を穏やかに保つ。そしてブッタは言う「人間の不幸の根源はすべて自分の内側にある」と、そしてそれを取り除きましょうねと。
なんだか瞑想とか聞いただけで「あーやーしーいーっ」って思っちゃう人もいるけど、そんなことなくて、このVIPASSANAにはきちんとした世界的な組織が存在している。そしてこの瞑想は何か特別な力を得るためとか、たとえば三つ目がとおるやホムンクルスみたいに第三の目を開かせちゃおうとかそういうのでは決してないんです。ゴータマ・シッタルダ、つまりブッタが再発見した、人間の不幸はその内側にあるものであり、それを観察し、人として幸せに生きるためにの瞑想という技術なんであしからず。
ていうかこう弁解してもあれなんで、、まだあやしいと思う人はこれみてね。
【参考】日本ヴィパッサナ教会ホームページ
http://www.jp.dhamma.org/index.php?id=1163&L=12
全世界にそれができるセンターが100箇所以上あり、もちろん仏教の人の数が多い我が国日本の京都と千葉にもそれはある。本当は京都で体験したかったんだけどそんな時間もないもので、おいでやすされなかったもので。そしてここカトマンにはVIPASSANA瞑想のやり方や理念を説明してくれている日本語訳のテープがあると聞いてここにきたわけだ。これで英語EASYなオレにも安心。VIPASSANAセンターのオフィスがどこにあるかもわからずにカトマン来ちゃったけど1人のネパーリが教えてくれてその場所にいくことができた。ヒンドゥー国っていうイメージが強いネパーリが教えてくれたのはすごく以外だった。しかし、この瞑想は技術であり、その技術を得るのにはなんお宗教だろうと関係がないという間口が開かれたものなのだ。そして10日間コースへの申し込みをそのコースが始まる前日に済ませた。後から聞いたら本当はもっと早く登録しないと普通は定員でいっぱいになってしまうらしい。今回はなぜか少なかったんだって。というわけで今回は京都ではなくカトマンにおいでやすされたわけだ。そして翌日、10日間のコースが始まる。。。。。。。。
10日間コースの毎日のスケジュールはこんなかんじ。
4:00 起床
4:30~6:30 瞑想
6:30~8:00 朝食&休憩
8:00~11:00 瞑想
11:00~12:00 昼食
12:00~13:00 休憩&質問タイム
13:00~17:00 瞑想
17:00~18:00 ティータイム
18:00~19:00 瞑想
19:00~21:00 講和
21:00~21:30 質問タイム
21:30 消灯
マジでの1日10時間以上の瞑想。これがバイトだったらこの10日間で給料上がってますわ。ただこれはバイトじゃないんで、自分のためなんです。そしてこのなんともがっつり感が大好きです。100時間やってやろうじゃないの。頭の中の店長に給料あげてもらおうじゃないの。ブッタすら悟り開くのに何十年とかかってるけど、オレは開始ジャスト2時間で悟る!
そしてそんなアホな希望もすぐに消え伏せるこはこれ。
10日間の瞑想中には8つのルールが存在していてその内容はこんなもの。
1、なにものも殺してはならない。
2、盗んではならない。
3、すべてのセクシャルな行為を行ってはならない。
4、ウソをついてはならない。
5、薬物(麻薬など)を摂取してはならない。
6、昼12時以降はものを食べてはならない。
7、着飾ってはならない。
8、寝心地の良いベットで寝てはならない。
更にこのコース10日間の間は「NOBLE SILEMCE」というルールも適応される。訳すと「超静かにしてください!」ってことなんだけど、人と話してはいけないのはもちろん、文字を読んでもいけないし、ものを書いてもいけないというもの。10日間ずっと。つまり240時間自分の世界に入りましょうということ。10日間の間はもちろん外部との接触はできないし、なんもできません。瞑想して、メシ食って、ウンコして、寝るだけ!
このルールを知って、コースが始まる日の朝、日本食レストランに最後の肉を食いに行った。チキンカツ丼。帰りに大好きなコーヒーを飲む。ああおいしいわーって、よく考えたら、こうやって禁欲になるからって食っておこうとかその考え方事態がおかしいわ。てかなんでおまえ禁煙してたのにここにきてタバコ吸ってんねん。このばかやろう。おまえなんか悟れないわって自分に言い聞かせてるときも片手にはマウンテンデュー。まあ硬くならずにジャンクを補給完了。だめねー。
昼過ぎ、NVC(NEPAL VIPASSANA CENTER)のシティオフィスの集まって、そこからバンで山へと入っていく。30分ほど走って、そこはカトマンズ盆地が見下ろせる山の上。大昔、ここカトマンは湖だったんだって。今の盆地の光景は排気ガスが溜まってれまるで灰色の湖のように見える。オレはあんなに空気の汚いところにいたんだ。そんな思いと一緒に、携帯やカメラ、金やパスポートなど瞑想に不必要な世俗のものをVIPASSANA協会の人に全部預けた。つまりはもう逃げられないってこと。よーし覚悟を決めましょう。夕食であるベジダルバート(カレー定食)を食べた後、コースが開始させた。
この夜はオリエンテ-ション。ここでの生活の説明を聞く。瞑想を実際に行うホールで話を聞いたんだけど、おれこれ、瞑想を教えてくれるのはどんな人かと期待しててさ。完全に手塚治虫『ブッタ』の読みすぎなんだけど。後光に満ちてるとか、そんな淡い期待をもっていて、その人がどんな話をするのかとわくわくしていた。ホールの中で列になって座る。あたりが音ひとつたてず静かになったときにその人は現れた。白い服を纏ったおじいさん。聞いた話によると何段階かあるうちに瞑想レベルのかなり上のほうを体得しているらしい。その人が静かに腰を下ろす。そして長い沈黙の後、重い口が開かれた?いや口は開かれない!おもむろにCDを取り出し、それをコンポの中に入れた。そしてスピーカーから違う人の声で瞑想の説明が流れ始めた。「なんでやねーん!」と、その一言もいわせてもらえない過酷な10日間が始まったのだ。1日3回はこうやって神々しく登場しては、瞑想説明CDを流す。それが毎回ツボだった。ただ、つけくわえると、「NOBLE SILENCE」の状態であっても瞑想の仕方が間違ったままでは何にもならないから、瞑想についてわからないことがあったら必要最低限の言葉をもってこの先生に質問をしていいことになってるんだけど、それで先生に聞きにいったときに圧倒されたというか、まず目が青く光ってるのね、なんであれ?話し方も独特だし。やっぱりレベル高いのかな。オリエンテーションが終わり部屋に戻ると、同部屋を一緒に使う白人のおじいさんがいた。初見だけれどもルールに従ってあいさつもできないまま、ぎこちなく目をそらしたりなんかしてお互いの夜が終わっていく。オレは心の中でこれからはじめる10日間、同じ部屋で「NICE TO MEET YOU」といい、さらにこの人のウンコがマジでワールドレベルにくさかったから「FUCK!」と言い、そして「GOOD NIGHT」と言って眠りについた。
朝4時、かすかに聞こえる鐘の音で目覚めた。やっぱ朝は寒い。そりゃネパールだもんね。4月後半でも寒かったわ。山ん中ってのもあるし。くしゃみをするヒマもあたえないほど、朝支度を即効すませて4時半、鳴る鐘の前に瞑想ホールへと入っていく。
1日目。いよいと瞑想が始まった。まずは体の今を感じる練習のために「ANAPANA」呼吸という呼吸法を実践。体の今を感じる。体の内側、内臓や血液の流れは自分の意思ではあやつることはできない。それは自然のままに動いている。体の外側、手や足を動かす、目を開くといったものは自分の意思で操っているもの。そして唯一体の外側で感じられるものであって、自分であやつっているものでないもの、それは「呼吸」。口を閉じて鼻のみで呼吸する。この呼吸、息の出入りする鼻に意識を集中させ、呼吸の今を、体の今を観察する。これがANAPANAだ。
これがものすごく難しい。よーし、意識を鼻の部分のみに集中させよう。。。。あっ、でも30秒くらいするとどうしても何か別のことをイメージが浮かんでくる。過去の記憶がよみがえってきたり、これからのこと、未来のことを考えたりと、勝手に意識してないのにイメージがどんどん浮かんでくる。そしてわかりやすく言えば「妄想」ってやつ。最近オレはめっきり落語にはまっていて、自分が落語するならどんな話をしようかと妄想に耽る。「もしかし亭迷子」という芸名まで自分で決めて高座に上がって自分が落語を話しているところを思い浮かべる。1つのネタ、1つのアイデアがさらに繋がっていって新しいアイデアをどんどん生んでいく。この感覚が昔から大好きだった。とても気持ちがいい。創造だ。だからそれを消す作業がとても難しかった。少しずつ、少しずつ。鼻だけに意識を集中させていく。だんだんとなれていってその時間は延びていったけど、どうしても気を抜くと、「おい与太郎!バカいっちゃいけねぇ。。。」と「もしかし亭迷子」がひょっこり顔を現す。
次の記事に『VIPASSANA瞑想2』続く
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