2009年7月4日土曜日

インド・ラダック ヘミスゴンパのツェチュ祭


ほんとに運がよくってラダック滞在中にラダック1のお祭りに会うことができた。ヘミスゴンパのツェチュ祭。チベット仏教のお祭りで仮面の名目。こういうお祭りに運良くぶちあたる機会が多い。お祭りを狙って行ったお祭りか、たまたま出会ったお祭りかだったらどっちかっていうと後者のほうがなんだかわくわくするのは自分だけかな。おっしゃ。








レーから朝方出発してヘミスゴンパへバスで向かう。ツアー用のジープで向かう外国人旅行者たちに抜かされる地元のぼろいゆっくりバスに申し訳ながらお邪魔させたもらう。地元の人々の信仰。道ゆくときいくら小さいゴンパに出会ってもバスの中ではほとんどの人がそっちを向いて祈りを捧げる。手持ちマニ車を回すおじいちゃん。これがこの人たちの輪廻。回すに回すだけ幸せになるんだ。ぐるぐる回し続ける。こうやって仏教がこの地に渡ってきて密教へと進化していき考え方が根付いたときからずっと回してるんだ。ぐるぐるに。




そんなこんなでのテェチュ祭。朝も早くからチベタンのひとたちともに演舞が行なわれるその周りの席で並ぶ。寒くってぶるぶる震えながら買ってきたお菓子なんかを周りのみんなと食べ場ら待つ。雪なんかも降ってきちゃったりしてもそれはそれは楽しい時間だった。








いよいよ演舞が始まる。太鼓の音が響き、辺りがざわざわする。チベタンのみんなは1年待っていた祭り。鼓動が早まる。仮面をかぶったお坊さん達が登場してくる。これがテェチュ祭。これがチベタンのお祭りか。そう、いよいよ始まったと思ったら一緒に並んだチベタンの人たちの横からカメラマンたちが10人くらい飛び出してきて演舞を行なうために囲った柵の中に入って演舞を接写し始める。朝から並んでいたここの席からはもう動くこともできないし、カメラマンに塞がれて演舞を観ることすらできない。なんていうことなんだろう。オレはともかくとしてチベタンのひとたちはその信仰心とともに1年待ったお祭りだ。それをカメラに撮影するという理由で前に出てきちゃっていいものなのか。もう最低だ。一人が飛び出すと、オレも私もとどんどん飛び出す。マナーなんて関係なくなる。その後ろではっきりと文句をいえないチベタンの人たちの悲しい顔。旅行者の一人としてとてももし仕分けない気持ちになった。





しかもこれを調べてみるとこの光景は毎回のことらしい。旅行者達が信仰の前を陣取る。横取りする。チベタンの人たちはあまり文句はいわないがからいいじゃないか?絶対そんなことない。彼らがどれだけ傷ついてることか。そのカメラで何をとりたいのか?信仰を邪魔してまでもそれを撮りたい理由がどこにあるんだろう。ほんと嫌な気持ちになった。ここはテーマパークじゃないっつーの。柵の前に平気で座ってくるし、見えないからどいてくれって言ったら50センチ横にずれる。それじゃオレの隣の人が見えなくなるだけで全然解決できていない。さすがに怒って「あなたはただの旅行者だ!彼らはこの宗教だ!」って言ったら舌打ちしていった。もう最悪だ。





なんだか寂しいよね。彼らが高々と「フリーチベット」って叫ぶんでしょ。もうなにがなんだかわからない。その中でもやっぱりわかる人たちは彼らに忠告する。祭りの終わりのころになってそのマナーが守られたり、でも結局守られなかったらりして、大変だった。なんか嫌だったな。この力の構造。せっかくいいお祭りなのに。これじゃ略奪じゃんか。楽しいはずのお祭りなのに、これじゃあ最悪だ。これからはそういうことがなくなることを強く望む。

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