2008年10月11日土曜日

中国・大理 無為寺 カンフー修行




中国雲南省大理。大理古城を見下ろす蒼山をドラゴンボールで悟空とクリリンが亀の甲羅を背負って登るべく、俺は背中にバックパック、前には機材バックを背負って登る。今回の旅史上、一番体力的にきつかった。




俺が悟空で、寺に向けて山を登るときに出会って寺まで案内してくれた同い年の坊主の青年(出家中)がクリリンだなんて気取っていました。正直はじめはこんな感じ。大理でのゆったりした生活に区切りをつけるべく山篭りを決めたんだけど、楽しむことは楽しもうと。汗びっしょりになりながらこれから始まる修行にむけてさ。映像勉強してるよー、とか言ったら、僕は日本のドラマ東京ラブストーリーが好きだなんて会話しながら。話もひと段落して、そしたらいきなりその彼が言った。








彼「日本で歴史は勉強したか?」

俺「うん」

彼「70年前の中国と日本の戦争を知ってるか?」

俺「う、うん」

彼「I want to kill here.」








もう何も言えなかった。いきなりいわれた。これ言われて対話できるような英語力は持ってないし、バックパックが重すぎて話にならない。そのまま無言で山を登ってると、その彼は俺が前に背負っている機材バックを持ってくれて、そのまま一緒に登っていった。俺は山を登るのが精一杯。彼はそんな俺をきづかってくれて、荷物を持ってくれて、休んでる俺を待ってくれて。複雑な感情。きっと彼も複雑な感情。出家中の彼から見たら俺なんて旅中に短期間の修行にきた日本人。そして日本人である俺の前の前の世代くらいの人たちは彼の前も前の世代の人たちをたくさん殺した。しょっぱなからこういう事態になるとは思っても見なかった。








さて、やっと登ってきて、寺に到着。その青年ともそこで別れた。
寺の名前は『無為寺』。なんつー名前だ。電気も通ってない。明るくなったら起きて、暗くなったら寝る。食事は肉を一切食べない。朝はランニング。シャワーはあるにはあるけど冷水。すごく静かな環境。早朝と夜にはお経を唱えるお勤めがある。18歳のときに熊本の山寺で一週間こもって修行したことがあるけど、電気とシャワーがないぶんこっちのほうが修行っぽかった。熊本のときはふつうにラーメンとかカレーとか食ってたしね。そして修行自体はかなり良いものになった。ここでカンフーの修行をしている少年たちに教えてもらう。午前と午後の練習。ストレッチを重点的に。修行が終わった今、できなかったヤンキー座りもできるようになった。






俺の先生の名前はスイゴウタン。15歳の少年。このスイと長く一緒にいた。ふざけてたら思いっきり殴られたり、スイもスイでふざけるやつだから一緒にふざけあったり。中国語と日本語だけどコミニケーションはとれる。てかこのかんけっこう中国語覚えた。スイと楽しく楽しく。








やっぱりその中でも気になるのが、はじめにあった青年。反日とかってどうすればいいのか実際わからない。ああいうときどういう反応をするべきなのか、そして何も言えなかったなかった自分。それでもなんとかしなきゃなんないから、青年ともう一度話してみたいと思って俺の師匠のスイに青年の名前を聞いた。そしたら、スイは言った。スイは中国語しかできないけど、聞き取れたのが、









「彼の名前はわかんない。彼は日本人が嫌いだよ。(鉄砲を撃つしぐさをして=戦争のことだと思う)。気をつけて。でも僕とお前は友達!」








それから握手をしてスイは仲間のもとへ走っていった。どかんときたわー。いっきに気持ちがすうっとした。そして反日っていったいなんなんだろうと思う。








実際カンフーの練習中もスイをはじめ少年たちに俺は「小日本(シャオリーベン)」って呼ばれてた。よくわからなけど日本を馬鹿にした言葉らしい。めっちゃ小さい子供にも言われるからね。小さい子供にも戦争のことつっこまれる。どんなもんかと思うわ。はじめに出会ったその青年とははじめのうちはきまずかったけど、話すにつれて仲良くなっていった。世間話もするけど、圧倒的に戦争の話が多かった。でも俺にはこうしてスイという朋友もできて、楽しくカンフーを覚えることもできた。肉なしの食事もめっちゃうまかったし、シャワーだって6日もあびれなかったけどみんなぜんぜんくさいなんて気にしない。景色がめっちゃきれいだし空気もきれい。健康的な生活。旅でつまったモヤモヤした気持ちもすっきりした。でもやっぱ複雑なところはだ。青年も複雑だろう。








うっさいうっさい。俺はカンフーの修行をしにきた。その反日の青年のことはきっと忘れないと思う。青年が日々唱えていたお経の音も忘れない。そしていろいろ考える。けどスイのことはもっと忘れない。スイからカンフーやいろんなことを学んだ日々。




とりあえず、少林カンフーものにしたから、ケンカとかあるときよんでください。『無為寺』。為になったかならないのか。じゃす!
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1 件のコメント:

熊猫 さんのコメント...

無為寺の検索から来ました。
私もそこで太極拳、気功、カンフーの修行をしてました。熊猫と申します。もう11年も前のことですが。寺の風景が懐かしいです。
私が居た当時、師父は少し体調を崩し気味でしたが、その後すごく気になっていました。彼はお元気でしたか?
帰国後私は、太極拳と気功を続け、今日本人にそれをつたえています。
あの頃の電気もガスもない生活が今でも恋しかったりします。
素敵な画像を見せてくれてありがとうございます。これからも修行を頑張って下さいね。
熊猫